アジア太平洋安全保障協力会議
(COUNCIL FOR SECURITY COOPERATION IN THE ASIA PACIFIC)
CSCAPの活動
【CSCAP研究部会(Study Group: SG)による政策提言】
CSCAPの主たる活動は、SGを中心に進められています。各SGの活動には2年という期間が設定されており、単なる対話ではなく政策的インプリケーションの高いアウトプットを作成することが義務づけられています。 成果として作成されるメモランダムはARFや各国政府機関に提出されています。また、CSCAPのSGの多くは、ARFとの連携性を高めるため、ARF各種会合と連続する形で開催されることが多くあります。 これまでのSGの研究成果の中でも特筆されるのが、信頼醸成SGの会合で作成された「アジア太平洋地域における予防外交の定義」です。この文書は、2001年にARFが採択した「予防外交の概念と原則」の原案となり、CSCAPの知的インプットが直接トラック1の活動を支援した例としてしばしば言及されます。
現在活動中のCSCAP研究部会(Study Group: SG) (2022年度の活動)
- ルールに基づく国際秩序(豪、シンガポール、中国、日本、マレーシア、ロシア)
- 北東アジアの平和と協力(共同議長:韓国、中国、日本、米国)
- 国際法とサイバースペース(共同議長:シンガポール、日本、マレーシア)
- 核エネルギー専門家グループ(共同議長:米国)
- 不拡散・軍縮(共同議長:米国、ベトナム)
- 女性・平和・安全保障(共同議長:米国、インドネシア、ニュージーランド)
*CSCAP研究部会(Study Group: SG)の活動については、下記URLをご参照下さい。
http://www.cscap.org/index.php?page=study-groups
*CSCAP政策提言(メモランダム)の一覧については、下記URLをご参照下さい。
http://www.cscap.org/index.php?page=memoranda
*CSCAP総会(隔年開催)の報告書については、下記URLをご参照下さい。
http://www.cscap.org/index.php?page=general-conference-reports
【CSCAP地域安全保障概観(CSCAP Regional Security Outlook:CRSO)の発行】
CRSOは、CSCAPのアウトリーチ活動の一環として2007年に設置され、年1回の割合で出版されている最も貴重な出版物です。2006年12月の国際運営委員会において、今後のアジア太平洋の安全保障協力をさらに前進させる点からも、CSCAPのこれまでの経験と実績を踏まえて、アジア太平洋の安全保障に関する問題の所在とこれまでの取り組み、今後の課題についてその概要を知ることのできる冊子を刊行することが有用であるとの判断から公刊されることになりました。 アジア太平洋地域の安全保障の課題や情勢分析について各国を代表する論客や専門家が寄稿しています。
CRSO及びその他CSCAPの発行物は下記URLより入手可能です。
http://www.cscap.org/index.php?page=publications
【CSCAP総会の開催】
CSCAPでは、原則として2年に1回(第1回:1997年6月[於シンガポール])で総会が開催されています。総会は、CSCAPの「アウトリーチ」活動であり、CSCAPの活動を広く政府関係者、研究者、メディア関係者に発信し、地域における「世論形成」を積極的に担う場として位置づけられています。
第12回CSCAP総会
2019年(令和元年)12月3-6日、ハノイ(ベトナム)に於いて標記会合が開催され、CSCAP日本からは菊池 努・JIIA上席客員研究員(青山学院大学 教授/副学長)、神保 謙・慶應義塾大学教授、花田 龍亮・JIIA研究員が出席しました。
マレーシア国防副大臣Liew Chin Tong及びベトナム外務副大臣Nguyễn Quốc Dũngの2名の基調講演が行われ、第3セッション「インド太平洋における海洋安保」では、神保 謙・慶大義塾大学教授が報告を行いました。
第11回CSCAP総会
2017年12月14-15日にチェンマイ(タイ王国)に於いて標記会合が開催され、CSCAP日本からは野上義二・JIIA理事長、菊池努・JIIA上席客員研究員(青山学院大学教授)、森聡・法政大学教授及び花田龍亮・JIIA研究員が出席しました。
野上理事長がCSCAP共同議長として開会の挨拶を行った他、Panel 1 「変化するアジア太平洋における大国のダイナミズム:その意味と結果」にて森聡・法政大学教授、Panel 2:「ASEAN創設50年を超えて:『ASEANの中心性』と地域アーキテクチャー構築」にて菊池努・JIIA上席客員研究員(青山学院大学教授)がそれぞれ報告を行いました。その他のパネルは、海洋安全保障、テロと民族対立、人間の安全保障と国際犯罪への対処、Wrap-up などのセッションが設定され、活発な議論がなされました。
第10回CSCAP総会
2015年10月21-23日にウランバートル(モンゴル)に於いて標記会合が開催され、CSCAP日本からは菊池努・JIIA客員研究員(青山学院大学教授)及び石田康之・JIIA研究員が出席しました。総会では、「アジア太平洋における信頼醸成:21世紀の安全保障アーキテクチャー」という主要テーマの下に、1)アジア太平洋における課題と現状、2)アジア太平洋における地域安全保障アーキテクチャーの制度的枠組み、3)地域におけるエネルギーと輸送の連結性:傾向と機会、4)アジア太平洋の人道支援と災害救難における協力、5)海洋協力、6)信頼醸成措置から予防外交への移行、など6つのセッションが設定され、活発な議論がなされました。