2021年は2020年に引き続き、欧州諸国が新型コロナ感染症への対応に追われる年となった。引き続き米中間の覇権競争の激化が進む中で、EUと欧州各国の対中認識は大きく変化した。こうした中で、インド太平洋地域への欧州諸国の関心はますます高まり、政策や活動に具体的に反映されている。EUを離脱した英国は、対EU関係で困難を抱えつつ、インド太平洋地域への関与を深めた。米国が新政権に移行したことで、トランプ政権時に軽視されていたNATOを通じた協力が再び推進されたが、米軍のアフガニスタン撤退に際しては調整が行われず、対米批判を招いた。
「戦略年次報告2021」の本章は、3月2-3日に開催される第3回東京グローバル・ダイアログ(TGD3)の次のセッションにもリンクしています。
「国際社会の対応 (2): 価値と技術」 | 3月3日(木)16:15~17:30(オンライン) |