バイデン米新政権が国際機関や合意への復帰を進め、多国間での国際協調および政策調整を主導する政策をとったことから、2020年に危機的状況にあったマルチラテラリズムは復活し、国際租税などの分野で具体的な進展もあったが、引き続きその実効性が問われている。また、世界が引き続きコロナ禍の影響を深く受けるなかで、COVAX(コバックス)等の枠組みにおいて米国が主導的な役割を果たすようになったものの、途上国へのワクチン供給のペースは遅く、ワクチンを巡る南北格差が浮き彫りとなった。気候変動分野では、米中による協調を含め、COP26で一定の進展がみられたが、「1.5 度目標」に向けた取り組みの強化が引き続き大きな争点となっている。
「戦略年次報告2021」の本章は、3月2-3日に開催される第3回東京グローバル・ダイアログ(TGD3)の次のセッションにもリンクしています。
「国際社会の対応 (3): 多国間の対応」 | 3月3日(木)17:45~19:00(オンライン) |