2020年には、地域諸国がコロナ禍への対応に苦しむなかで、中国は法の支配や領土問題に関する一層強権的・高圧的な内外政策を進め、米国がこれに対抗する構図が深まった。こうしたなかで、すでに見たように、日本が数年来唱えてきたルールに基づき「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)というビジョンが、地域内外で広がりを見せている。同年にはまた、中印国境紛争が両軍の衝突に発展し、こうした背景もあって、日米豪印4か国の協力枠組み(QUAD)が顕著に緊密化するとともに、この枠組みに参加する4か国の間の個別の協力も強化された。一方で、東アジア包括的経済連携(RECP)が合意されるなど、中国を含む地域協力の枠組みにも進展が見られた。
「戦略年次報告2020」の本章は、2月25-27日に開催される第2回東京グローバル・ダイアログ(TGD2)の次のセッションにもリンクしています。
東南アジア及び南アジアの視点 | 日時: 2/26(金) 15:00-16:30 | |
クロージング全体会合:インド太平洋の明日と国際社会の対応 | 日時: 2/27(金) 11:00-13:00 |