冷戦終焉から30年が立つ。旧ソ連が崩壊して以降ロシア連邦のグローバルな位置は、冷戦後の世界秩序の枢要な問題の一つであり続けた。しかし総じていえば欧米とロシアとの友好的な関係の措定には成功してこなかったといわざるをえない。2014年のウクライナ危機後の世界を新冷戦と評価できるかは別としても、現在のリベラル国際秩序を揺るがす一因にロシアがあることは言うまでもない。ロシアは、プーチン政権のもとで自己主張を強めるものの、その割に経済的基盤は脆弱な存在であると同時に、台頭する超大国中国との「準同盟」関係も相まって、国際社会に特異な存在感を示している。