領土・歴史センター

戦後直後の韓国製の朝鮮半島地図で初めて竹島を記載した古地図の発見について

2024-02-15
舩杉力修(島根大学法文学部教授)
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戦後直後の韓国製の朝鮮半島地図で初めて竹島を記載した古地図の発見について

2024年2月15日

日本国際問題研究所では、平成30(2018)年2月から、古地図での竹島の記載状況を明らかにするため、国内の図書館、公文書館、国土地理院、海上保安庁海洋情報部を中心に、歴史地理学及び地図史の観点から、竹島関係の古地図の調査を、舩杉力修(ふなすぎ りきのぶ)・島根大学法文学部教授に依頼して実施しています。

今年度は特に、戦後の韓国側の古地図を国内外で調査したところ、令和5(2023)年11月、台湾の古書店で、1949年、韓国・大韓書林発行の「大韓民國全圖」を発見しました。分析したところ、朝鮮半島の東側には、分図に「獨島」が、朝鮮半島の南側の済州島の近くの分図には、実在しない「波浪嶼」が記されていること、大韓海峡(対馬海峡)には国境線が記されていないことから、対馬が韓国領であるかのような誤解を招く記載となっていることが分かりました。

史料の収集、調査に当たった舩杉教授によれば、今回発見した地図にある分図の「獨島」の記載は、戦後直後の韓国製の朝鮮半島地図で初めて「獨島」を記載した地図と考えられるとのことです。また、この地図は、公的地図ではないもののサンフランシスコ平和条約以前の1949年の韓国政府成立直後における韓国側の地理的認識を反映したものであるとのことです。なお、国際法上、竹島の帰属に関しては、最終的に、1951年9月調印、1952年4月発効のサンフランシスコ平和条約で竹島が日本の領土であることが決着していること、そして1951年8月の米国国務省ラスク極東担当国務次官補発の書簡などによってこの点が確認されています。

その概略は別紙の通りです。本発表内容は調査者の個人的見解であり、日本国際問題研究所の見解を代表するものではありません。

<別紙>

執筆者 舩杉力修・島根大学法文学部教授(歴史地理学)

別紙1 調査成果の概要
別紙2 1949年、韓国・大韓書林発行「大韓民國全圖」(全体)
別紙3 1949年、韓国・大韓書林発行「大韓民國全圖」(竹島・鬱陵島周辺)
別紙4 1949年、韓国・大韓書林発行「大韓民國全圖」(波浪嶼・済州島周辺)
別紙5 1949年、韓国・大韓書林発行「大韓民國全圖」(対馬周辺)