ニュージーランドよりブルック・バリントン国防省次官、ヘイミッシュ・クーパー駐日大使らを迎え、日本国際問題研究所 佐々江賢一郎理事長、武居智久客員研究員(元海上自衛隊海幕長)、玉水玲央領土・歴史センター研究員らが出席し意見交換を実施しました。
ニュージーランド国防能力計画(2025年)
今回は、ニュージーランド政府が発出した新たな国防能力計画を踏まえ、その意義や日本との防衛協力の可能性について議論が行われました。バリントン次官は、米中間の競争などから少し離れた地理的特性を持つ同国においても、国際環境の変化を受け、新たな防衛政策が必要になったと述べ、日本や西欧諸国との連携も進めつつも、中国との協力も並行して維持していかねばならないという状況について説明がありました。また、同国の特徴として、1985年以降の非核政策により、米国との直接の安全保障関係が途絶えたことから、現在は隣国オーストラリアを主要なパートナーとしつつ、米国とは一定の協力関係を保ちながらも、核を含む深い連携には依然慎重な姿勢を示していることにつき言及がありました。
当研究所からは、海洋進出を強める中国の動きも念頭に、日本は太平洋地域における安定のため、ニュージーランドと一層の連携を図っていくべきであるが、同時にトランプ新政権の米国からもいかにして協力を引き出し、地域の安定に関与させていくかが鍵となるとの考えも含めて、双方で活発な議論となりました。
参加者
・ブルック・バリントン NZ国防省次官 (Brook Barrington, Secretary of Defence)
・ヘイミッシュ・クーパー NZ駐日大使 (Hamish Cooper, Ambassador, New Zealand Embassy)
・ユアン・ヘンダーソン NZ国防武官(海軍大佐)(Captain (N) Euan Henderson, Defence Attaché, New Zealand Embassy)
・ルーク・バリントン NZ一等書記官 (Luke Barrington, First Secretary, New Zealand Embassy)
・イザベル・グンサー NZ国防省分析官 (Isabelle Gunther, Analyst, Ministry of Defence)
・坂上千明 NZ大使館ポリシーアドバイザー(Chiaki Sakagami, Policy Adviser, New Zealand Embassy)
・佐々江賢一郎 日本国際問題研究所理事長
・武居智久 日本国際問題研究所客員研究員(元海上自衛隊海幕長)
・玉水玲央 日本国際問題研究所研究員
・李昊 日本国際問題研究所研究員
・吉田優一 日本国際問題研究所研究員