日本国際問題研究所は、2021年4月13日、国連広報センターおよび外務省と共催し、日本経済団体連合会が後援する公開ウェビナー「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の今日的意義:SDGsの視点と国連の役割」を開催しました。
日本は、2021年に60周年を迎える皆保険制度の経験に基づき、世界の保健システム強化をグローバル課題として位置づけ、国連を通じてSDGsにUHCの達成を盛り込むことを主導しました。UHCが国際社会全体のアジェンダとなっていった過程は、国連が持つ機能と日本の取組みが相乗効果を上げた好例と言えます。
ウェビナーでは、コロナ禍の中で改めてその意義が注目されるUHCについて、SDGsの視点と国連の役割、わが国の保健外交の取組みなどの視点から専門家が議論しました。
佐々江理事長が開会挨拶を行い、アミーナ・J・モハメッド国連副事務総長から、「SDGs and UHC」と題したメッセージが寄せられました。続いて、武見敬三・参議院議員/WHO・UHC 親善大使から、「日本の保健外交とUHC」と題して、マルチ外交の舞台で日本が中心となりUHCの推進をグローバルに展開してきたこと、コロナパンデミックが世界的な解決を求める問題である中で、ワクチンを国際公共財と位置付けてCOVAX等の世界的なワクチン供給の枠組みを強化する重要性などに関する基調講演をいただきました。これに続き、市川所長がモデレーターを務め、南博・外務省広報外交担当大使兼内閣官房健康・医療戦略室次長、清田明宏・国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)保健局長、中山讓治・経団連企業行動・SDGs 委員長/第一三共常勤顧問からなるパネリストが、それぞれ、日本政府、国際機関、経済界の立場から発表を行いました。さらに、武見議員のコメントに続き、萱島信子・国際協力機構(JICA)理事とフランク・オチェレ駐日ガーナ大使が、それぞれ援助の実務及び途上国の視点からコメントを行い、これを受けてパネリストがさらに議論を行いました。
[ビデオ視聴はこちらから] https://youtu.be/Ff4NcGCbOK8