はじめに
米国は、2018年5月にイラン核合意「包括的共同行動計画」(Joint Comprehensive Plan of Action: JCPOA)を離脱した後、同合意の下で解除していた対イラン制裁法令すべてを復活させた。そして米国は、それらの制裁法令をJCPOA成立前より厳しく運用するとともに、新たな制裁も導入している。これらの制裁は、イラン経済に与える影響という点では効果を上げているが、それによりイランを対話のテーブルにつかせる目論見が成功する道筋は見えていない。イランは、米国がJCPOAを離脱した1年後あたりから自らの軍事力や周辺地域における影響力を誇示する行動をとくに積極化しており、2020年1月にはJCPOAに基づいて自らに課していた核開発活動の制限を撤廃すると発表した。
本稿は、今後のイラン情勢に影響する要因のひとつとして、イラン経済の現状を前回の制裁期間(イラン核開発問題に関して米欧が制裁を強化し始めた2010年からJCPOA成立まで)と比較しつつ整理し、イランの制裁耐久力について検討する。又、EUがJCPOAを維持すべく講じている各種試みの現状(限界)についても確認する。
(1) 主要産業に対する制裁強化とその影響
現在の米国政府が対イラン制裁で目指しているのは、イランの原油輸出収入をはじめとする外貨収入手段を断ち、同国の核開発や中東地域で影響下に置く諸組織を支援する等の活動の資金源を断つことである。そのため、米国は、最大のターゲットである原油部門に対する制裁を前回の制裁期間より厳しく運用するとともに、原油に次ぐ輸出収入を持つ石油化学や金属産業に対しても制裁を強化している。
原油関連の米国制裁には、上流(探鉱・開発・生産)活動に関するものと輸出に関するものがあるが、イランの原油部門の活動や収入に断然大きな影響を与えているのは後者である。後者の制裁は、前回の制裁期間中、当時イランから原油を輸入していた国すべて(20カ国)に対し、180日ごとの米国務長官の決定により適用を除外してきた。ところが米国は、2018年11月の制裁復活にあたり、8カ国に対する「暫定的割当」を認めたものの、2019年5月にはイランからの原油輸入を完全に禁じた。それでもなおイランからの原油輸入を続けたとされる中国企業に対しては、米財務省外国資産管理室(Office of Foreign Asset Control: OFAC)が、米国の国家安全保障に脅威を与える者としてSDN(Specially Designated Nationals)と呼ばれる制裁対象に指定した。SDNは、米国資産が凍結され、米国人との取引が禁止される。
このような厳しい制裁運用の結果、イランの原油輸出量は、制裁解除中の日量約200万バレルから、2019年8月には日量20万バレル以下に落ち込んだ模様である1。前回の制裁期間中は、最も輸出量が低下した時期でも日量100万バレル程度を維持していたが、今回は米国がイラン原油輸出ゼロの実現に向けて圧力をかけ続けている。量的な縮小に加え、制裁復活後の原油価格が、前回の制裁の影響が最も厳しく出ていた2013年前後の6割程度の低水準であることも、イランの原油輸出収入を大きく減らす要因となっている。原油輸出額の近似値として原油輸出量にイランの主要輸出油種であるイランヘビー原油の価格を乗じた額は、2013年の469億ドルに対し、2019年は8カ月で130億ドルであった。同9月にはイラン原油輸送関連の外国企業や船舶が多数、SDNの指定を受けており、今後よほどの状況変化がない限り、通年でもせいぜい数%程度の上乗せしか期待できない。
原油に次ぐイランの輸出産業は、近年、100億ドル程度を毎年輸出している石油化学産業である。前回の制裁期間には、生産や輸出に対する支援の禁止、国営(現在、法的には民営化している)石油化学会社のSDN指定等の措置が取られた。イランの石油化学プロジェクトには欧州企業からエンジニアリング支援やライセンス供与を受けているものが数多く、それらの外資が撤退したことにより生産や輸出が低迷した。今回、2018年11月に上述の制裁が復活したことに加え、2019年6月には、合計でイランの石油化学生産能力の4割、輸出の5割を占めるとされる企業群がSDNの指定を受けた。OFACは、今回の制裁復活にあたり、SDNと一定の取引を行う者もSDNに指定される可能性に触れており、前回の制裁期間以上にイラン石油化学産業への外資の関与が困難になったといえる。
石油化学に次いで輸出が多い鉄鋼産業は、前回制裁期間中、一定の条件に合致する場合のみ販売等が禁止されており、2018年8月にはこの限定付きの制裁が復活した。一定の条件とは、それがエネルギー・海運・造船セクター又はイスラーム革命防衛隊(Islamic Revolutionary Guards Corps: IRGC)が支配する分野での利用、SDN等との取引、核・軍事・弾道ミサイル関連、のいずれかに合致する場合である。しかし、2019年5月に発布された米大統領令は、同産業に関する取引や金銭的、技術的な支援全般を制裁対象とした。鉄鋼生産量や輸出量は、2018年末までは前年を大きく上回っているが、今後はこの制裁対象拡大の影響が表面化してくる可能性がある。ただし、イランの鉄鋼産業は、石油化学産業ほど欧州諸国との関係が深くなく、中国やインドほかアジアや中東諸国が主要な取引相手であり、その違いが制裁の効果に影響してくるとも考えられる。
(2) 制裁の影響の財政への波及
原油をはじめとする主要産業各部門に対する制裁の影響は、当然、財政にも波及する。イランの石油収入は、各年度の予算法が規定する比率に従い、国営石油公社が一定の取り分を確保し、残りを国庫、国家開発基金(National Development Fund of Iran: NDF)、産油州や貧困州の間で配分している。イラン財政の石油依存度(原油及び石油製品の販売収入が一般歳入に占める比率)は、石油輸出に対する米欧の制裁やイラン政府による石油依存からの脱却を図る方針が相俟って以前より低下し、最近は30%前後で推移しているが、最近、財政におけるNDF資金の利用が急増しており、石油輸出収入の財政貢献度は上記より高いと言って良い。いずれにせよ、石油輸出収入は税収に並ぶ重要財源である。
2019年度予算は、石油収入のNDFへの配分比率を前年度の32.0%から20.0%に抑え、その分、国庫への配分を同50.5%から62.5%に増やした。NDFは、石油や天然ガスの輸出収入を主な原資として国内各種プロジェクトへの資金供与や国内外の金融市場への投資を行っている。つまり、2019年度予算では、幅広い部門の成長支援や将来のための資産形成よりも足元の財源確保を優先した形である。それでも、原油輸出が既述のとおりの落ち込みを見せる状況下、石油収入から十分な額の繰り入れは見込めない。2019年度予算は、原案段階では日量150万バレルの石油輸出を想定していたが、同年7月の政府高官発言によると、原油輸出量30万バレル/日を想定した予算へと見直しを行ったとのことである2。
税収については、徴税能力等の問題もあり、その伸び悩みが制裁のみに起因するとは言えないが、前項で述べたような主要産業における制裁の影響が幅広く企業収益や雇用者所得を低迷、悪化させ、税収にも制約を与えていることは確かである。2019年度予算は前年度実績比36%増の税収を見込むが、法人税は前年度予算とほぼ同額(1%増)、所得税も同27%増と、物価上昇率を勘案すると実質伸び率はマイナスの見込みとなっている。その一方で、大きな伸びを見込むのが付加価値税等の間接税であるが、消費や輸入が低迷ないし減少する中で、その実現には疑問が残る。税収等の経常収入に期待できない状況は、原油輸出がこれだけ厳しい制裁を受ける中、2019年度予算における石油収入への依存度が、結果として前年度より高くなっている事実にも表れている。2019年12月に大統領から国会に提出された2020年度予算案は、財政の石油依存度を過去最低水準に引き下げようとしているが、税収総額の13%増を見込む等、実現困難な前提を置くものとなっている。
財政収入の不足は、経済成長の下支えとなるインフラプロジェクト等の進捗を遅らせるだけでなく、銀行や公共工事請負業者、自治体等に対する政府の債務返済も滞らせている。各年度の予算法は、政府債務を財務省証券等の債券に転換することを認めているが、根本的な解決には至っていない。この問題は、次項に述べる銀行部門の課題につながっている。
(3) 銀行部門が抱える課題と制裁の影響
イランの銀行は、2006年以降、順次、米国、国連、EU等による制裁対象となり、資産凍結や取引禁止等の措置を受けてきた。2008年には米ドルを利用した対イラン取引が実質的に困難になり、2012年にはイラン中央銀行(Central Bank of Iran: CBI)を含むイランの全銀行がOFACによってSDNに指定された。2016年の制裁解除後も、国際的な大手主要銀行は米国の一次制裁の影響を懸念してイランとの取引を躊躇していたところ、2018年11月、SDNリストへの再掲載や金融メッセージサービスの提供の禁止といった、イランの金融部門に対する米国制裁が全面復活した。業務上厳しい制約を受ける経営環境の下、イランの銀行が長年抱えてきた不良債権の多さや自己資本不足等、財務体質にかかわる諸問題も、制裁を直接間接の原因として深刻化、あるいは少なくとも改善に遅れを生じている。
不良債権の全貸出債権に対する比率は、ピーク時に比べれば改善したが、なお10%を超える水準にあるとみられる。自己資本不足に対しては、国家予算からの資本注入等の対応策が講じられているが、上述の財政状況を踏まえるならば、自ずから限界があろう。2018年度末には、市中金融機関の自己資本比率は1%まで低下しており、国有商業銀行は全体として債務超過に陥っている。財務基盤の弱い銀行はCBIへの資金依存を続け、2018年度には、銀行の対CBI債務を政府に付け替えるまでになったが、その政府の資金も不十分であることは上述のとおりであり、持続的な解決策になっていない。銀行部門が国内のスムーズな資金仲介機能を果たすことができない状況にある。
制裁の間接的な影響として、銀行業務や経営が国際標準から乖離したことも挙げられる。前回の制裁期間は、国際金融界がリーマンショックを経て大きく規制枠組みの見直しを行った時期に重なった。制裁解除後、CBIは各行を指導して国際標準に沿った情報開示や財務健全化を図り、イラン政府も資金洗浄や金融テロ対策の分野で法改正を含めた対応を進め始めた。イランの一連の対応を受け、資金洗浄や金融テロ対策に関する政府間国際組織(Financial Action Task Force: FATF)は、2016年6月、それまで取っていたイランへの「対抗措置」を12カ月間停止すると発表した。しかしその後、FATFはイランの対応の進み具合に失望を表明し、参加メンバーに対してイランとの取引に通常より厳しい手続きを要求するようになった。2019年10月のFATF会合後には、イランが2020年2月までに対応を完了しなければ「対抗措置」の停止を完全に解除するとの警告が発せられた。こうした状況が、イランの金融機関と外国の金融機関との関係構築をさらに阻害している。
(4) イランの制裁耐久力
イランは長く制裁下にありながら経済を発展させてきた実績があり、制裁に対しても数字には表れにくい耐久力があると、よく指摘される。実際にイランは、経済に果たす石油収入の役割が大きいとは言え、鉱業や製造業も発達し、制裁下にあっても各産業で外資の不在を国内企業で代替し、取引可能な国々との交易に重点を移して対応してきた。今回も、「抵抗経済」(最高指導者が提唱した、イラン経済を外的要因の変動に抵抗できる体質に作り変えようとする政策)の旗印の下、イランは同様な形で難局を乗り切ろうとしている。又、CBIの外貨資産は2018年度末に1,107億ドルと、輸入額や対外債務との対比で一般的には十分とみられる額を保有している。
ただし、各部門における専門性や経験が浅い企業の参入は、生産性向上や産品の高付加価値化を図るうえでの制約となる。前回の制裁期間中には、取引先の新規開拓に要する追加コストや、調達可能な原材料や技術の変更への対応等、企業にとってコスト上昇要因が重なった。そのうえ、国内での消費者価格への転嫁が一時期政策的に抑えられ、輸出価格も下落して、収益力の低下にいっそう拍車が掛かった。消費の面でも、国内企業による生産代替や貿易相手の制限は購入可能な財の選択肢を狭め、購買力を低下させる。失業率が高止まり、不完全雇用率が上昇している傾向から所得の伸びは期待できない一方、消費者物価上昇率が40%を超すほど大きく上昇しており、所得は実質的に減少している可能性が高い。
対外支払い能力については、前回の制裁期間中もCBI外貨資産が額面上1,000億ドル台を維持したが、自由に利用できる額は一部に限られた。現状、機動的に利用可能な外貨資産の水準は不明だが、主要な外貨収入源が軒並み制裁のターゲットとされ、輸入の他、為替市場安定化や財政赤字補填のための外貨需要にも備える必要があるとなれば、中期的に安心できる水準とは言えない。
経済(実質GDP)成長率は、イラン統計センターの発表で2018年度がマイナス4.9%であり、2019年度はIMFがマイナス9.5%と予測している3。イラン経済は、前回の制裁期間中の2012年度と2013年度にも2年連続でマイナス成長(マイナス6.8%と同1.9%)を記録したが、物価上昇率も含め、経済の総合的な状況は現在の方がより厳しいようにみえる。イランは、経済状況が悪化しても制裁解除を求めるための対話はしないとの立場であるが、国民の経済状況に対する不満の矛先が国の指導体制に向かう事態は避けなければならないはずである。
2019年11月のガソリン価格値上げを契機に国内各地で広がった国民の抗議行動に対して取られた極めて厳しい制圧姿勢には、この点に関するイラン指導部の敏感さと余裕のなさが感じられる。イランは、たしかに長年、経済制裁下で生きてきたが、その間、都市人口の増加や社会の情報化等、国民の生活環境は大きく変化した。現在のイランの制裁耐久力を論じる際には、このように変化したイラン社会が、統制色の強い経済や制裁の下で払わなくてはならない犠牲にどれだけ耐え得るか、という視点も必要ではないか。
(5) EUの対応とその限界
イランと米国以外のJCPOA当事国であるEU及びEU3か国(英仏独)は、合意維持が国際社会の利益になることを主張し、米国の制裁が復活してもイランとの経済関係を維持できるよう様々な試みをしてきたが、いずれも実を結んでいない。
米国のJCPOA離脱が現実味を増し、EUがまず検討したのがブロッキング規制の適用であった。ブロッキング規制とは、EU域内企業に米国制裁法の遵守を禁止すること等を定めたEU理事会規則で、1996年に制定されたものである。しかしこの規制は、制定以来発動された例がなく、その実効性が検討段階から疑問視されてきた。EU規則に違反した場合に受ける処罰は、米ドル利用や米国事業を失うことの損害に比べれば格段に小さいこと等がその理由である。結果として、企業がEU規則でなく米制裁の遵守を選好するのは当然の判断であろう。
2018年6月には、欧州委員会の決定により、欧州投資銀行(European Investment Bank: EIB)4によるイラン向けファイナンスをEU保証の形で支援する態勢も整えた。しかし、同決定はEIBの経営判断を縛るものではなく、結局、同行によるイラン向けファイナンスは実行されていない。2018年の貸出の34%を米ドルが占めている同行業務の現状に照らせば、これも当然の判断と言える。
複数の試みが行き詰まり、イランとの貿易決済を支援する特別目的事業体である貿易取引支援機関(Instrument in Support of Trade Exchange: INSTEX)の設立に向けた動きが本格化した。当初、構想されたのは、EUによるイランからの原油や天然ガスの輸入とイランによるEUからの様々な物資の輸入の代金を、米ドルを使わずに相殺する仕組みであった。INSTEXは2019年1月に英仏独を当初株主(資本金数百万ユーロ強)として発足したが、その活動範囲は当初構想より狭く、EUからイランへの食料品、薬、医療機器の販売のみに限られた5。イラン国内ではINSTEXのカウンターパートとなる組織として特別貿易金融機関(Special Trade & Finance Institute: STFI)が設立され、資本金10億リアル(公定レートの1ドル42,000リアル換算で約24,000ドル)で活動を開始したと伝えられている6。
活動開始にたどり着いたINSTEXではあるが、JCPOAの維持に貢献する仕組みとしては機能不十分と言わざるを得ない。資本金額の少なさ、取引対象の限定による輸出入のアンバランス等の要素に加え、INSTEXとSTFI双方に対する米国の制裁適用への懸念も機能拡大に釘を刺している。INSTEXに対しては、米財務次官がSDN指定の可能性を明確に警告している7。STFIについても、米政策専門家や政府高官経験者等合計35名が連名で米財務長官に書簡を送り、SDN指定を訴えている8。INSTEXが今後石油を扱うか否かは株主間で協議中と言われているが9、先行きは厳しい。
おわりに
EUの核合意を維持する力の無さに、イランは諦めの交じった不満を募らせている。イランは、核合意不在の不利益をEUや米国に認識させるべく、JCPOAで約束した核開発活動の制約を段階的に外しているが、却って相手の不信感を強めるばかりである。
前回、制裁の経済的影響が最も厳しく出ていた2013年には、イランでは、自国の対外的孤立状態を改善することを公約に掲げ、「穏健」や「中庸」を重んじる大統領が保守強硬派の大統領に代わり当選した。当時の新政権は、各政治派閥のバランスに留意しつつも、経済関係のポストに学者やテクノクラートを重点的に登用し、経済合理性や国際標準への合致を意識した政策を追求しようとした。そのような方針が、最高指導者をはじめとするイランの体制指導部に許容されていたとも言える。しかし、JCPOAによる制裁解除の経済的果実が思うように得られず、ついには米国の制裁復活で経済が一段と苦境に陥る中で、イランの経済政策は再び内向きかつ統制色の強いものになってきている。為替と物価が大きく不安定化した2019年夏には、CBI総裁の交代や経済関係閣僚の弾劾が相次ぎ、大統領も国会で喚問を受けた。経済運営面に加え、経済的な成果につながらない核合意を結んだ判断に対しても、保守強硬派を中心とする勢力による政権批判が強まっている。
厳しい経済状況への耐久力の限界が認識されれば、イランは最終的には米国を含むJCPOA当事国との対話を試みざるを得ないかもしれない。ただし、現在のイラン国内の政治環境は、対外的にも保守強硬派が挑発的な行動に出る可能性を大きくする一方、交渉における妥協の余地を小さくするものになっているようにみえる。2020年初に起きた米大統領命令に基づくIRGC司令官殺害により、制裁による経済の窮状がイランを米国との対話に導く道はさらに狭いものとなった。
(2020年2月3日脱稿)
※本稿は、令和1年度外務省外交・安全保障調査研究事業報告書『反グローバリズム再考――国際経済秩序を揺るがす危機要因の研究 グローバルリスク研究』(日本国際問題研究所、2020年)の一部となります。
1 IEAが20万バレル/日(IEA, Oil Market Report, September 12, 2019)、エネルギー商品等のデータ情報サービス企業Kplerの情報を引用した報道が16万バレル/日(Radio Farda, "Iran's Oil Exports Decline To Below 200,000 Barrels p/d In August," September 5, 2019)等と伝えている。
2 イラン管理計画機構(Management and Planning Organization: MPO)副長官の発言(Mehr News Agency, "Iran reduces budget dependency on oil revenues to almost Zero: official," July 26, 2019)。
3 IMF, "Regional Economic Outlook," October 2019に基づく。4月時点のマイナス6.0%の予測が下方修正された。
4 EIBは、EU加盟28カ国を株主とし、EUの対外経済協力等の政策目的を実現するために設立された銀行。EU予算からの割当はないが、EU域外での同行貸出業務に対してはEU予算から保証(ソブリン及びポリティカルリスク保証)が付与される。
5 2019年10月のCBI総裁発言によると、これまでに400万ドルの医療機器取引1件の決済があったとのことである(Rohollah Faghihi, "Iran's Central Bank chief speaks out on currency plunge, $15 billion French credit line," Al-Monitor, October 21, 2019)。
6 Radio Farda, "Iran Officially Launches Trade Mechanism To Match Europe's INSTEX," April 30, 2019.
7 Jonathan Stearns、Helene Fouquet, Bloomberg, "U.S. Warns Europe That Its Iran Workaround Could Face Sanctions," 2019.5.30.
8 STFIは、株式の過半がSDN指定の銀行に保有されているとの情報あり(Mark Dubowitz, Saeed Ghasseminejad, "Sanctions Alert: Iran's New Financial Channel with Europe is Linked to Sanctioned Entities," May 16, 2019)。そうであれば、OFACの「50%ルール」(単数又は複数のSDNが直接又は間接に50%以上を所有する組織の財産や利益は凍結対象とみなされるとの規則)を適用すれば、STFIは実質的にSDN同様の扱いを受けることになる。
9 欧州委員会副委員長兼EU外務・安全保障政策上級代表の発言(Remarks by High Representative/Vice-President Federica Mogherini following the Foreign Affairs Council, Bruxelles, July 15, /2019)。