Hiroshima Nuclear Forecast (最終版)公表

「Hiroshima Nuclear Forecast 2026」は、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)が軍縮・科学技術センター(CDAST)に委託したパイロット事業である。CDASTは2026年5月から8月にかけて、17か国の核問題及び外交政策の専門家55名を対象に、独自のアンケート調査を実施した。回答者には、今後12か月で最も懸念する核関連リスクを自由記述形式で3つ挙げ、それぞれの発生可能性、国際社会への影響、過去12か月間の変化、そして当該リスクが一般にどの程度認識されているかを評価するよう求めた。
調査結果に基づき、「Hiroshima Nuclear Forecast 2026」では、主要な核リスクを10のカテゴリーに整理した。最も多くの回答者が懸念を示したのは、ロシアによるウクライナ侵略をめぐる核エスカレーションであり、回答者の53%が挙げた。これに朝鮮半島(35%)、イラン・中東(31%)、核・放射線施設への攻撃、事故および物質安全(29%)が続いた。その他のリスクとしては、核実験の再開、意図しないエスカレーションと新興技術、核拡散、台湾をめぐる米中対立、核軍拡競争、インド・パキスタン間の核エスカレーションなどが特定された。
また、「Hiroshima Nuclear Forecast 2026」は、核リスクが相互に関連し、増幅し合うことを示している。核による威嚇、地域紛争、軍備管理・不拡散体制の弱体化、核軍拡競争の再燃などは、相互に作用し、核エスカレーションに至る複数の経路を生み出す可能性がある。さらに、特に核指揮・統制システムの脆弱性や核関連施設への攻撃などについて、リスクの悪化に対する認識と一般的な認知度との間に隔たりがあることも指摘している。「Hiroshima Nuclear Forecast 2026」は、潜在的なエスカレーションの経路、複数のリスクに共通する政策上の課題、核リスクの変化を注視するための警戒指標を提示することで、早期警戒に資する評価を提供している。
「Hiroshima Nuclear Forecast 2026」は、2026年9月2日から3日にかけて広島で開催された「ひろしまラウンドテーブル」における議論の基礎資料となった。同会合には国内外の専門家14名が参加し、一連の政策提言を取りまとめた。これらの政策提言は、「Hiroshima Nuclear Forecast」報告書の末尾に掲載されている。
「Hiroshima Nuclear Forecast 2026」報告書