開催概要
東京グローバル・ダイアログ(TGD)とは
2019年の日本国際問題研究所創立60周年記念の機会に初めて行われた『戦略年次報告』の発出と国際会議「東京グローバル・ダイアログ」開催を、今年から定例化。「インド太平洋の今日と明日:戦略環境の変容と国際社会の対応」をテーマとする『戦略年次報告2020』の発出に続き、第2回「東京グローバル・ダイアログ(TGD2)」を2月25―27日にオンライン開催します。世界の主要シンクタンク代表や有数のオピニオンリーダーが、新型コロナの世界的感染拡大の中で激化した米中対立と戦略的競争、このために分断と対立の大洋となりつつあるインド太平洋地域に焦点を当てて、米新政権成立を受けた国際情勢と日本を含む国際社会の今後の対応について、分野別・地域別合計12のセッションで議論します。
- 開催方法
- オンライン上でのリアルタイム配信(Zoomビデオウェビナー)
ライブ配信は、Zoomビデオウェビナーを使用いたします。インターネットを介して配信がされますので、インターネットに接続されたPCまたはタブレット・スマートフォンをご用意ください。
インターネット回線は、有線LANでの接続を推奨いたします。モバイルルーターやiPadでの使用は電波状況や回線速度などの影響を受け、映像等の不具合が生じる可能性がありますことを、予めご了承ください。
事前申込された方へ開催前日までに視聴案内をメールにてお送りします。
- 通 訳
- 日英同時通訳
- 参加費
- 無 料
事前に参加申し込みが必要となります。お申し込みはコチラから
プログラム
17:30-17:40 |
オープニング開会の辞
メッセージ
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17:40-18:10 |
基調講演:外交政策スピーチ
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18:15-19:45 |
戦略年次報告2020に関するラウンドテーブル2020年には、世界がコロナ禍に直面する中で、軍事・安全保障から先端技術、サプライチェーンの支配、さらにはコロナ対応を巡るナラティブに至るまで、あらゆる分野で米中の対立と戦略的競争が一層激化した。ルールに基づく国際秩序は一層厳しい試練に直面し、国連を中心とするマルチラテラリズムの枠組みは深刻な機能不全に陥った。「インド太平洋の今日と明日:戦略環境の変容と国際社会の対応」を検討するうえで前提となる現在の地域・国際情勢について、戦略年次報告2020の紹介に続き、大局的観点から議論する。 モデレーター
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9:00-11:00 |
オープニング全体会合:米中関係2020年には米中対立が激化し、コロナ禍のなかで米中間の戦略的競争が進み、国際秩序の揺らぎが一層進んだ一年であった。現在の米中関係をどのように理解するべきか。そして、米国と中国はそれぞれどのような外交戦略を以てこの対立を乗り越えるのか。米中それぞれの外交戦略の併存は可能なのか。米国と中国は、米中対立によって、対立を乗り越えることによって、あるいは他のいかなる方法によって、どのように地域・国際情勢の平和と安定を保つのかについて、米中それぞれの視点から議論する。 モデレーター
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11:00-11:30 |
コーヒー・ブレイク |
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分科会パートI:分野的分析
11:30-13:00 |
分科会1:米中軍事バランスと軍備管理の展望米中の大国間競争は、「新冷戦」とも形容されるほど深刻な対立へと発展している。台湾をめぐる米中の軍事的緊張が高まり、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でも、人民解放軍は西太平洋での活発な活動を継続している。激しさを増す米中の競争関係は、抑止と核軍備管理をめぐる議論にも大きな影響を与えている。本セッションでは、米中関係における軍事、安全保障、軍備管理の問題を取り上げる。 モデレーター
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11:30-13:00 |
分科会2:「技術の地政学」を超えて?米中技術覇権競争は国際システムを不可逆的に変化させたのか。米中の技術競争は、マーケットや企業行動にどのような変化を強いたのか。そして「技術の地政学」が出現するなかで、日本などの他のアクターの選択肢と役割は何か。本セッションでは、「技術の地政学」の現況とその展望について議論する。 モデレーター
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11:30-13:00 |
分科会3:新型コロナパンデミック及びマルチラテラリズムの危機2020年以来世界で猛威を振るう新型コロナウイルスに対し、各国は自国第一のナショナリスチックな対応に追われ、効果的な国際協力が図られていない。一部の国でワクチン接種が開始されたが、世界的なワクチン供給体制は整わず、パンデミックの脅威は続いている。コロナ危機はまた、レジリエントで持続可能な経済社会への転換を各国に迫っている。多国間主義はコロナ以前から深刻な危機に直面していたが、コロナ禍は、多くの国でWHOほかの国際機関への不信を高める結果となった。気候変動への取り組みは、この課題を重視する米国のバイデン新政権の登場により息を吹き返すことが期待されるが、危機に瀕した多国間主義は、迫りくる様々なチャレンジに対応できるか? モデレーター
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分科会パートII:地域的視点
15:00-16:30 |
分科会1:ロシアの視点インド太平洋地域における昨今のパワーバランスの変容をロシアはどのように見ており、「東方シフト」を掲げるプーチン大統領の下で、この地域にどのように関与しようとしているのか。米新政権の下での米中ロ間の戦略的均衡や、日ロ関係の今後の展望はどのようなものか。本セッションではこうした観点からインド太平洋地域におけるロシアの政策について議論する。 モデレーター
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15:00-16:30 |
分科会2:東南アジア及び南アジアの視点東南アジアや南アジアの国々は、インド太平洋の中心に位置している。
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16:30-17:00 |
コーヒー・ブレイク |
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17:00-18:30 |
分科会3:欧州の視点米中対立という全体構図のもとで、中国と安定した関係を築きつつ、自らの価値や利益を脅かす行動には対峙していくことは、日本と欧州が共通して抱える課題である。本セッションでは、この課題の中心的な舞台となるインド太平洋をめぐって、日欧協力の可能性と制約に光を当てる。とくに、欧州におけるインド太平洋概念の意義、協力して中国と対峙する上での課題、日欧協力の具体的なヴィジョンについて議論する。 モデレーター
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17:00-18:30 |
分科会4:コロナ禍と戦略的変容における中東情勢世界的感染拡大が進行する中、中東情勢は引き続き混迷を深めてきた。イスラエルとアラブ4か国の国交正常化が実現し、湾岸諸国内の和解にも進展がみられた一方、イランの孤立と核合意の頓挫、ホルムズ海で峡の緊張は継続している。コロナ禍はアラブの春から10年を経てなお戦禍と経済苦境にあった中東地域の課題をさらに悪化させた。中東地域の戦略的変容に関する本セッションでは、特に米国の新政権と核合意、パワーバランスの変容、感染拡大の影響について焦点を当てる。 モデレーター
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分科会パートIII:戦略環境の変容の影響
9:00-10:30 |
分科会1:米中競争と北東アジアの安全保障北東アジアは、北朝鮮、台湾、東シナ海という3つの潜在的な紛争の火種を抱えている。北朝鮮の核ミサイル能力はここ数年で飛躍的に向上し、米朝協議も非核化にはつながらなかった。台湾周辺では人民解放軍が台湾海峡の中間線を越える活動を頻繁に行うなど、緊張が高まっている。中国は尖閣諸島周辺での挑発を強めるとともに、人民解放軍の海空戦力の能力を高めている。米中の対立の激化は、北東アジアの安全保障をさらに厳しいものにするであろう。 モデレーター
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9:00-10:30 |
分科会2:領土問題/法の支配への影響インド太平洋地域の戦略環境に変容が見られるが、その変容は地域の領土・海洋問題にどのような影響を及ぼしているのか。戦略環境の変容は法の支配の重要性に影響を及ぼすのか。各国はどのように対応しているのか。本セッションでは、日本とその周辺に着目し、問題の背景や昨今の情勢、戦略環境変容下での法の支配の役割について議論する。 モデレーター
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10:30-11:00 |
コーヒー・ブレイク |
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11:00-13:00 |
クロージング全体会合:インド太平洋の明日と国際社会の対応インド太平洋地域における戦略環境の重大な変容を受けて、日本及び地域内の各国、さらに地域外の諸国を含む国際社会が、外交、軍事・安全保障、経済等の分野で追求すべき政策は何か。マルチラテラリズムや、QUADなどの枠組みを含む地域協力は、この地域が直面する課題への回答を提供できるか。TGD2の各セッションにおける議論を踏まえ、インド太平洋の明日を論じる。 モデレーター
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閉会の辞
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※敬称・尊称略、順不同。